ウィッグ経験者　　束田裕希さん

 ウィッグ生活を振り返って…

 
 交通事故にあい、恐らくその事が原因で、３ヶ月後の朝突然、全体的に頭髪が抜け落ちました。髪を搔き上げると、ごっそりと髪が手についてしまい、一体何が起きたのか全く理解できず、得体の知れない恐怖で部屋から出られなくなってしまいました。
　仕事を休み、皮膚科で診断を受けた結果「全頭脱毛症」と診断されました。 治る見込みもはっきりせず、絶対的な治療方法も皆無の状態。「外出する」という、昨日まで当たり前だった状況が、緊張する状況に変わってしまい、それがストレスで病状が悪化してしまうのではないか・・・とも思いました。
　毎日、黒いボリュームアップスプレーで頭髪の薄さを誤魔化していましたが、１本のスプレーが２日で無くなってしまうような状況だったので、資金的にも限界を感じていました。
　誰にも相談できない状況の中、他に方法がないかと困り果て、web検索で「ウィッグ」という方法に巡り合う事ができました。
 
　初めてお店に電話をする際、どのように説明すれば良いのか凄く不安だったため、メールでの相談も受け付けていただける配慮に感謝を覚えました。その後、お電話をいただき、担当者の方から細かい質問をしてくれたので、口に出して説明しづらいという、こちらの気持ちを汲んでいただけ、とても安心することができました。
　実際にお伺いし、仮のウィッグを装着し、そこから私の頭にあわせてカットしていただくという進行だったため、どんどん自分の髪の毛が甦ったような気持ちになり、とても嬉しく感じました。
なによりも「また安心して外出できる」という気持ちが強かったです。そしてそれが何よりも望んでいたものでした。
 
　ウィッグを使用してからは、脱毛症になる以前のストレスフリーな状態に戻る事ができました。整髪料を使用する事もできるため、自然に本当に自分の髪の毛のように扱え、仕事に対しても、その他の付き合いに関しても、何不自由ない生活を送れました。
　その後、驚異的な速さで脱毛症は改善し、ウィッグのお世話になる事もなくなりましたが、素早く改善できたのは、ウィッグの手助けによって余計なストレスを取り除いてくれたからだと確信しています。
　　
　本当にありがとうございました。