美容室に医療用ウィッグを導入するための環境づくり
医療用ウィッグ導入の第一歩は「環境」から
医療用ウィッグを取り入れたいと考えるときに
多くの美容師さんが最初に悩むのが
「サロンの環境をどう整えるか」です。
「個室が必要?」
「新しい設備を買わなきゃいけない?」
と構えてしまう方も多いですが、
実は大掛かりな改装をしなくても
ちょっとした工夫で患者さんが安心して過ごせる空間は作れます。
患者さんにとって大切なのは
「人目を気にせず安心して相談できる」こと。
まずは環境から整えていくことが
医療用ウィッグ導入の第一歩になります。
プライバシーを守る空間づくり
個室が理想、でも工夫次第で対応できる
完全個室があれば理想ですが
必ずしも必須ではありません。
パーテーションやカーテンで仕切りをつけるだけでも
「人に見られていない」という安心感が生まれます。
清潔感と衛生管理
治療中の免疫低下を意識する
抗がん剤治療中の方は免疫力が下がっているため
コロナ禍以降は私たちのマスク着用は必須です。
また、お客様用のマスクやマスクケースなどの
用意も続けております。
「見える清潔感」が信頼につながる
患者さんは「ここなら安心できる」と
思える場所を探しています。
掃除の行き届いた店内や整った道具は
それだけで安心感を与えます。
「目に見える清潔さ」を意識しましょう。
予約・キャンセル対応の工夫
体調に合わせた柔軟な予約
抗がん剤治療中は、体調に波があります。
当日キャンセルや急な変更も珍しくありません。
通常の予約制をそのまま適用するのではなく
「体調優先で大丈夫ですよ」と伝えることで安心していただけます。
キャンセルポリシーを工夫する
一般的なキャンセル料を適用すると
患者さんに大きな負担になります。
医療用ウィッグ対応メニューに限っては
「キャンセル料なし」とするなど、
柔軟なルールを設定するサロンも増えています。
無理なく整える工夫
既存スペースを最大限活用
新しい部屋を作る必要はありません。
すでにある席を工夫して「相談スペース」に変えるだけでも十分です。
実際に、既存のセット面をパーテーションで区切っただけでスタートしたサロンもあります。
私の医療用ウィッグ美容師のスタート時は
パート美容師でした。
オーナーに許可をいただいて
定休日にウィッグのご相談をお受けしていました。
半年ぐらいでウィッグのご相談が軌道に乗り
お店の近くにワンルームを借りて
徐々に医療用ウィッグのお仕事を増やしていきました。
その後、患者さまの顧客が増えて
患者さま専用の美容室Chez Moiをオープンしました。
まとめ
医療用ウィッグをサロンに導入するときに大切なのは、豪華な設備や大規模な改装ではありません。
- プライバシーを守れる空間
- 清潔で安心できる雰囲気
- 柔軟な予約対応
この3つを意識すれば、患者さんが「ここなら安心して相談できる」と思える環境は作れます。
小さな工夫からスタートできるのが、美容室における医療用ウィッグ導入の魅力です。
次回は「料金設定・メニュー編」として、実際にサロンメニューに落とし込む際の考え方をご紹介します。
提携して随時行っております。
講習日以外のご希望の方もご相談ください。